民主主義の定義とシュミット的民主主義への考察(書きかけ)

民主主義 ───自分達の事を自分達で決められる政治形態───

カール・シュミットの『現代議会主義の精神史的状況』を知り読んで以来、民主主義をどう定義するか非常に悩んだが、結論として「自分達の事を自分達で決められる政治形態」と定義するのが最適である。理由は「自分達」という表現にある。「自分達」に誰が含まれるかを決定するのは民主主義の外にある、直接的な警察力、有形無形の同調圧力ナショナリズムといった規範、経済的利益といった硬軟の力である。

野球統計(セイバーメトリクス)とは何か

セイバーメトリクスとは何か

セイバーメトリクスとは、SABR(Society for American Baseball Research)という研究協会と、metricsを合わせた造語であり、野球に対する統計的な研究そのものを指す。近年ではメジャーリーグの各球団はセイバーメトリクスを取り入れ、選手のプレーに対して適切な評価を下し、選手はどういった戦略をとるべきかといった指導や、年俸配分の効率化といった目的で活用している。セイバーメトリクスアメリカで生まれ発達した概念であるが、日本や韓国などでも年々取り入れられて来ている。

WARについて

セイバーメトリクスの重要な到達点としてWAR(Wins Above Replacement)の概念の提唱が挙げられる。WARとは、控えレベルの選手が出たと仮定した時と比べて、ある選手がどれだけの貢献(あるいは足の引っ張り)をしたかを1勝を単位として数値化したものである。例えば画像のランキングで大谷翔平のWARは10.1となっているが、これは10.1勝分の上積みの貢献をチームにもたらした事を表す。様々な批判や修正点はあるものの、ある選手のプレー全体というものをWARという一次の比例尺度に落とし込める分かりやすさには目を見張るものがある。因みにであるが、リーグ平均のレベルはWARで用いられる控えレベルよりも高い数値である。リーグ平均の中には大谷のような傑出した選手の数値も合算されているし、そうでなくとも毎日出続けるレギュラー選手は一般に控え選手よりレベルが高いのである。移籍の活発なメジャーリーグでは、控え以下のレベルの選手は簡単に手に入り取り換えが効く(言い換えると大金を払う価値がない)ものであり、実際にチームに多くの勝利をもたらす貢献というのはそこからどれだけの上積みを生み出せたかに掛かっている、というのがWARのコンセプトである。

2023シーズンWAR https://www.espn.com/mlb/war/leadersより引用

セイバーメトリクスの具体的な手法

セイバーメトリクスの発展に触れながら、どんな分析が用いられているか見てみよう。野球のプレーの結果を統計的に分析し始めたことにより、一つホームランを打つこと、一つ三振を奪う事などのプレー一つ一つには具体的に何点の得点を奪う、または失点を防ぐ効果があるのかが分かった。更に踏み込んだ研究が行われている現在では、打者の打球速度を機械で測定したり、観測員を配置して野手の具体的な守備能力を記録して分析したりもしている。そうしたデータを合算してWARが算出されるのだが、今回は投手のWARを算出するベースとなるFIPという数値の計算式を見てみよう。

 

FIP=(13×被本塁打+3×(与四球-故意四球+与死球)-2×奪三振)÷投球回+定数

定数=リーグ全体の{失点率-(13×被本塁打+3×(与四球-故意四球+与死球)-2×奪三振)÷投球回} 通常は3前後」

https://1point02.jp/op/gnav/glossary/gls_explanation.aspx?eid=20060より引用

 

FIPで特徴的なのは、打撃結果の3割ほどしか占めない三振・四球・ホームランしか計算に用いないことである。こうした奇妙な数値が広まった理由の一つは簡単に求められるからというのもあるが、FIPに用いられない7割を占める内野手や外野手の方に飛ぶ打球がヒットになるかアウトになるかは、投手の能力に殆ど依存していないことが統計分析で判明したことがFIPの正確さを担保しているのである。FIPよりも正確にするために残りの7割の打球も含めたり、結果そのものではなく打球速度と打球角度を元に求められる数値もあるがここでは割愛しよう。FIPで代表されるように、セイバーメトリクスはとかく野球を分析してデータ化し、それを元に選手の貢献を数値で可視化するのを目指すものである。

余談として書いた感想

人生初ブログ!前からちょっと興味はあったんですけどアカウントの登録が面倒で先延ばしにしてきました。KMC(京大マイコンクラブ)でアドベントカレンダー企画を出すのを機にアカウントを登録して書いてみました。スポーツへの関心とパソコンへの関心は負の相関が強いというのが私の所感ですが、今回の記事ではそんな方々向けに野球観戦とは異なる角度の野球の楽しみ方を提供できたらと思います。アドベントカレンダーは原義のプレゼント箱の方しか知らなかったので、ブログを指すのは意外でした。